2010年12月22日
フェドカップ日本代表、WGII復帰へ
2011年1月31日から2月5日までに、タイ・ノンタブリで開催されるフェドカップの日本代表メンバーが発表され、村上武資日本代表監督は、森田あゆみ、奈良くるみ、土居美咲、藤原里華を選出した。18歳の奈良と19歳の土居は、初の日本代表入りを果たした。
このフェドカップは、アジア/オセアニアゾーンIの試合で、ワールドグループIIプレーオフ進出をかけて戦う。参加国は、日本のほかに、中国、台湾、インド、カザフスタン、韓国、ニュージーランド、タイ、ウズベキスタン。9カ国を2グループに分けて、ラウンドロビンを行ってから、グループ1位同士が決勝を戦い、勝った国がワールドグループIIプレーオフへ進むことができる。
ただ今回は、日本女子ナンバーワンで40歳のクルム伊達公子は、メンバー入りしなかった。その経緯を村上監督は、次のように話す。
「アジア大会直後に、伊達と1時間ぐらい二人で話しました。伊達は、体力的なこと、そして、来年はツアーでのシングルスに専念したいと。彼女の気持ちを尊重しました。チームとしては、伊達がいるのといないのとでは、相手国に対してのプレッシャーは違うのかもしれませんが、伊達がいなくてもこの4人で十分戦って勝ち抜いていけると思う」
クルム伊達の意向をくみとった村上監督だが、今年急成長した奈良と土居の実力をかって、二人を初選出した。「チームの若返りという考えはなく、実力主義で選び、勝つために誰が必要かを考えた」
若い二人も初めての日本代表入りに胸を躍らせる。「日の丸を背負うことは、重いことだと思っていますし、モチベーションも上がるし、誇りを持って頑張っていきたい」(奈良)。「選んでもらえてプレーできるのは誇りになる。実力も上がってきて戦う準備はできている。チームのために頑張って戦いたい」(土居)
中国が降格してきたため、11年のアジアでのフェドカップは、昨年以上に厳しい戦いになるだろう。さらに、エース・クルム伊達の不在も追い討ちをかけるが、新生村上ジャパンは、新たなメンバーで前へ踏み出そうとしている。
文・写真/神 仁司
テニスストリームTV「神仁司のツアーコラム」より抜粋
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このフェドカップは、アジア/オセアニアゾーンIの試合で、ワールドグループIIプレーオフ進出をかけて戦う。参加国は、日本のほかに、中国、台湾、インド、カザフスタン、韓国、ニュージーランド、タイ、ウズベキスタン。9カ国を2グループに分けて、ラウンドロビンを行ってから、グループ1位同士が決勝を戦い、勝った国がワールドグループIIプレーオフへ進むことができる。
ただ今回は、日本女子ナンバーワンで40歳のクルム伊達公子は、メンバー入りしなかった。その経緯を村上監督は、次のように話す。
「アジア大会直後に、伊達と1時間ぐらい二人で話しました。伊達は、体力的なこと、そして、来年はツアーでのシングルスに専念したいと。彼女の気持ちを尊重しました。チームとしては、伊達がいるのといないのとでは、相手国に対してのプレッシャーは違うのかもしれませんが、伊達がいなくてもこの4人で十分戦って勝ち抜いていけると思う」
クルム伊達の意向をくみとった村上監督だが、今年急成長した奈良と土居の実力をかって、二人を初選出した。「チームの若返りという考えはなく、実力主義で選び、勝つために誰が必要かを考えた」
若い二人も初めての日本代表入りに胸を躍らせる。「日の丸を背負うことは、重いことだと思っていますし、モチベーションも上がるし、誇りを持って頑張っていきたい」(奈良)。「選んでもらえてプレーできるのは誇りになる。実力も上がってきて戦う準備はできている。チームのために頑張って戦いたい」(土居)
中国が降格してきたため、11年のアジアでのフェドカップは、昨年以上に厳しい戦いになるだろう。さらに、エース・クルム伊達の不在も追い討ちをかけるが、新生村上ジャパンは、新たなメンバーで前へ踏み出そうとしている。
文・写真/神 仁司
テニスストリームTV「神仁司のツアーコラム」より抜粋
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2010年12月13日
2010年のベストマッチは?
テニスジャーナリストの神仁司氏が選んだ今年のベストマッチは、全仏1回戦のクルム伊達対サフィーナ戦に決定! 今季、復帰後の自己最高WTAランキング 46位などの好成績を挙げたクルム伊達について「ローランギャロスで起こった奇跡の1勝があったからこそなし得た」(神)と分析しています。
以下、テニスストリームTV「神仁司のツアーコラム」より抜粋
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12月に入り、デビスカップ決勝も終了し、2010年のテニスシーズンはすべて終了した。そこで、2010年のベストマッチを、テニスジャーナリストとして一つ挙げたい。09年と比べると、グランドスラム決勝での名勝負は不作だった。しかし、09年以上に活躍を見せた選手がいた。クルム伊達公子である。
今年の彼女の活躍を物語るうえで欠かせないベストマッチが、ローランギャロス1回戦「クルム伊達 vs. D・サフィーナ」だ。クルム伊達は、パリ入り前から右ふくらはぎに違和感を覚え、本調子にはほど遠かった。第9シードのサフィーナは、2年連続ローランギャロス準優勝、元世界ナンバーワンで、当時いくら調子を落としているとはいえ、強敵に違いなかった。
クルム伊達は、右足のけがの影響からフォアストロークのミスを多く犯し、第1セットを36で落とす。右足の痛みは悪化し、メディカルタイムアウトをとってプレーを続行した。「何度も迷ったけど、リタイアしたくなかった。ドロップショット、角度をつけたり、ゆっくり打ったり、あらゆることを試したら、サフィーナがミスをし始めた。彼女のミスを待った」
一方サフィーナは、サーブが大乱調。17回のダブルフォールトによって、自らペースを乱し、第2セット42、ファイナルセット41のリードを守ることができず、ますますナーバスになってミスを犯していった。結局、クルム伊達が64、75でセットを連取して、2時間33分の接戦にピリオドを打った。クルム伊達は、ミスを63本犯しながらも、37本のウィナーを奪ってみせた。序盤不調だったフォアハンドストロークは持ち直し、最終的に13本のウィナーを取った。
この勝利は、クルム伊達の現役再チャレンジ後、4度目の挑戦でつかみ取ったグランドスラム初勝利となった。「どんな形であれ、サフィーナからの勝利は自信になる」(クルム伊達)
2 回戦では、棄権負けを余儀なくされたクルム伊達だったが、この1勝は、ツアー後半戦の活躍につながる大きなものとなった。WTA大阪大会準優勝、WTAバリ大会3位、クルム伊達としての自己最高WTAランキング46位、これらの好成績は、ローランギャロスで起こった奇跡の1勝があったからこそなし得たと私には思えるのだ。
文・写真/神 仁司
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12月に入り、デビスカップ決勝も終了し、2010年のテニスシーズンはすべて終了した。そこで、2010年のベストマッチを、テニスジャーナリストとして一つ挙げたい。09年と比べると、グランドスラム決勝での名勝負は不作だった。しかし、09年以上に活躍を見せた選手がいた。クルム伊達公子である。
今年の彼女の活躍を物語るうえで欠かせないベストマッチが、ローランギャロス1回戦「クルム伊達 vs. D・サフィーナ」だ。クルム伊達は、パリ入り前から右ふくらはぎに違和感を覚え、本調子にはほど遠かった。第9シードのサフィーナは、2年連続ローランギャロス準優勝、元世界ナンバーワンで、当時いくら調子を落としているとはいえ、強敵に違いなかった。
クルム伊達は、右足のけがの影響からフォアストロークのミスを多く犯し、第1セットを36で落とす。右足の痛みは悪化し、メディカルタイムアウトをとってプレーを続行した。「何度も迷ったけど、リタイアしたくなかった。ドロップショット、角度をつけたり、ゆっくり打ったり、あらゆることを試したら、サフィーナがミスをし始めた。彼女のミスを待った」
一方サフィーナは、サーブが大乱調。17回のダブルフォールトによって、自らペースを乱し、第2セット42、ファイナルセット41のリードを守ることができず、ますますナーバスになってミスを犯していった。結局、クルム伊達が64、75でセットを連取して、2時間33分の接戦にピリオドを打った。クルム伊達は、ミスを63本犯しながらも、37本のウィナーを奪ってみせた。序盤不調だったフォアハンドストロークは持ち直し、最終的に13本のウィナーを取った。
この勝利は、クルム伊達の現役再チャレンジ後、4度目の挑戦でつかみ取ったグランドスラム初勝利となった。「どんな形であれ、サフィーナからの勝利は自信になる」(クルム伊達)
2 回戦では、棄権負けを余儀なくされたクルム伊達だったが、この1勝は、ツアー後半戦の活躍につながる大きなものとなった。WTA大阪大会準優勝、WTAバリ大会3位、クルム伊達としての自己最高WTAランキング46位、これらの好成績は、ローランギャロスで起こった奇跡の1勝があったからこそなし得たと私には思えるのだ。
文・写真/神 仁司
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